こんにちは。
奈良県橿原市のそろばん教室 「かしはら計算スクール Nexus」
代表の太田です。
前回は、開塾の経緯や思い等を振り返ってみましたが、
今回は、私がそろばんにのめり込んだきっかけ、
そしてその結果、どのように実生活に活かせることができたかについてです。
大学生で全国大会デビューをしてから、徐々に実力をつけ、
それなりに全国でも名前が知れ渡っていく中で、何回か珠算雑誌への原稿依頼をされるようになりました。
今回は、その時に書かせていただいた原稿を紹介させていただきます。
そろばんを通じて得たもの
皆様はじめまして、太田陽一郎と申します。
私は現在、京都市の公務員として働き始めて三年目になります。
私がそろばんを習い始めたのは、小学一年の9月だったかと思います。
十年程歳の離れた従姉がそろばんを習っていたので、
「お前もそろばんを習ったらどうや?」
と両親に言われたのがきっかけでした。
最初は、なんとなく毎日教室に通っていたのですが、三年生になった時に教室の代表として、
地区の競技大会に参加させていただくことになりました。
負けず嫌いだった私の心に火が点いたのは、その時でした。
小学三年以下の部の代表として、二年生の子と二人で出場し、
その子が私よりも上手だったのです。
それからというものの、学校が終わるとすぐに教室に向かい、
二人で机を合わせて練習する日々が始まりました。
その頃から練習量が急激に増え、実力もめきめき伸び、
わずか一年後には奈良県では学年のトップクラスの選手になっていました。
そうなると、そろばんの練習がすごく楽しくなり、また「努力」の大切さも学びました。
この経験があったからこそ、今の私があると思います。
私は、自分で特別能力が高いとは思いません。
何事も理解するのが人一倍遅く、勉強にしろ、そろばんにしろ、
全て努力でカバーしてきました。大学受験や公務員試験の勉強では、
朝から晩まで時間のある限り勉強していました。
努力の大切さをそろばんにより学びましたが、
それを長時間持続することができたのは、
毎日の練習で培った「集中力」があったからこそだと思います。
また、ただひたすら努力するだけでは壁にぶち当たります。
その時に必要なのが「工夫」です。
これもそろばんにより身についたのではと思います。
桁幅があり何桁でも暗算ができる人と違い、桁幅がない私が
いかにして全国でトップレベルとまではいかなくとも、
ある程度通用するレベルになれるかは、練習メニューの工夫が必要です。
桁幅を増やすための練習や、8桁×4桁などの確定した答を次々書きながら
計算していく練習は今でも続けていますが、あまり期待はできません。
そこで取り入れたのが分割計算や、左手です。しかし、当時の奈良県では
その算法を取り入れている人は、ほとんどいなくて未知の世界でした。
分割計算はともかく、左手はどうしたらいいのかさっぱりでした。
最初は繰上りや、除算の商だけを置く補助程度でしたが、
右手で計算している間に左手で次の九九を計算できないか、
効率的な運珠は…など、計算過程で右手が左に移動してしまうロスを最小限に抑える算法を考えました。
「努力×集中力×工夫=成功!」
この方程式が私のそろばんを通じて得た最大の武器です。
この武器はどの世界においても通用するものだと思います。
受験勉強や就職活動だけでなく、職場でも役に立っていると思います。
珠算式暗算は今や、電卓やパソコンの時代ではそれほど重宝されなくなりましたが、
むしろそろばんを習うことで身に付く付加価値は計り知れないものがあると思います。
部活、習い事、勉強…何事もすぐに諦めてしまう子供たちが増えていますが、
是非、そろばんを習うことでこの武器を身に付け、各方面で活躍して欲しいと思います。
そして、胸を張って「僕は、私はそろばんを習って良かった」と言って欲しいと思います。